最近読んで面白かった本を無理やりクワガタ飼育に生かそうのコーナーです。
今回はこちら、「限りある時間の使い方」です。
タイトルからタイムマネジメント関連のお話を想像される方が多いのではないでしょうか。
「ああ、またタイパの話ね?」「げっ、意識高い系かよ…」的な。
ところがそうでなく、本書はそんな「タイパ至上主義」「効率化でなんでもできる」という思想に待ったをかけています。
メールの洪水が収まり、やることリストの増殖が止まり、仕事でも家庭でもみんなの期待に応え、締め切りに追われたり怒られたりせず、完璧に効率化された自分が、ついに人生で本当にやるべきことをやりはじめる─
そろそろ認めよう。そんな日は、いつまで経っても、やってこない。
でも悲しまないでほしい。それは実際、とてもいい知らせなのだから。
オリバー・バークマン(2022) 限りある時間の使い方
もくじ
簡単な紹介
本書の要点は超ざっくり言うと、
・(80まで生きるとして)人生は4000週間で、どれだけ効率的になろうが何もかもを成し遂げることはできない。
・それは不幸なことではなく、できることしかできないと受け入れた方が何かと楽になる。
というところ。
効率化を図る姿勢はいいけど、それって万能ではないから過信しすぎんなよ!って話です。
特に印象に残っているのは、「退屈」についての話。
退屈とは「ものごとがコントロールできない」という不快な事実への強烈な忌避反応であり、
人の心はSNSをはじめとする「気をまぎらせてくれる何か」を求めている。
仕事の時間は基本コントロール不可能。
つまり仕事中にSNSをちょっと見たりしてしまうのもそういう事ですね。
時間つぶしは楽しいものかどうかはさほど問題ではなく、
「やらなければいけないこと」から目を背けることができれば成立してしまう。
そして「やらなければならないこと」「重要なこと」ほど腰が重いのはなぜか。
重要なことは思い入れが強いからこそ、完璧にこなせないのがもどかしい。
完璧にこなせないのは嫌!→完璧にしたいからもっと余裕があるときに→今はちょっとSNSでも…
となるわけです。
じゃあどうすればいいのか?それは「不快感をそのまま受け入れること」
問題は「現実逃避したいという自分自身の欲求」なので、SNSなどを断っても根本解決にはならない。
多分散歩やら部屋の掃除やらやりだします(自分ならそうしてる)
だったら「時間はかかるし思い通りにはいかない不快な現実」をそのまま受け入れた方が良くね?
だって先延ばしが起こらないから結果的に早く仕事終わるじゃん。というわけです。
これはもう、グサッ!ですね。
ブログ書く時もスマホでyoutube流して気づいたら動画漁ったりしてる自分にぶっ刺さりました。
クワガタ飼育に生かそう
ではここからクワガタの話。
クワガタ飼育で時間がかかって大変な事と言えば、菌糸の手詰めじゃないでしょうか。自分はそうです。
もちろん一回始めちゃえば黙々とやる感じは案外癖になりますし、
熟練のブリーダー様であれば詰め圧や添加、水分量などの新しい試みがやる気に繋がったりもするのでしょう。
(自分はまだその領域にいないので憶測ですが)
でも、「菌糸手詰めが楽しみで仕方ないぜ!」「もう他の人のもやってあげたい!」
くらいの姿勢の人は、まあかなり珍しいと思われます。
なのでとりあえず、当記事ではクワガタ飼育めんどくさいこと代表を菌糸手詰めということにして進めます。
さっきブログ書く時youtube流して~という話が出ましたが、
菌糸詰めをやるときもおんなじことが起きてました。
大変だし、まあyoutubeでも流しながらやりますか…
広告飛ばしたり動画探したりで
作業中断多かったからだいぶ時間かかった…
こうなってたわけです。
そこで「限りある時間の使い方」の教えを実践。
ながらではなく、手詰めひとつに向き合ってやってみました。
手詰めはどうやっても手詰め。
時間かかるし体力もまあまあいるから大変。大変だけどそれを受け入れる。
まず思ったのは、youtube無しでも始めさえすれば思ったより退屈じゃないですね。
一番エネルギー使うのは開始時で、道具そろえてブロックの被膜剥いで崩して…
ってところまでいっちゃえばこっちのものです。
次に当然っちゃあ当然ですが、youtube無しの方が早く終わる。
広告スキップやらなんやらで作業中断がないわけですから、そりゃそうだと。
最後にまとめ。
ながら無しスタイル、自分はかなりいいなと感じました。
「ごまかしながら大変な事を長引かせるか」「大変と認めて一点集中でさっさと終わらせるか」
こう比較すると、後者の方がマシじゃないですか?
スマホに意識が向いてる時間分
手詰めは長引くんだよね…
前の自分と同じく「ながら作業」やってた方、ぜひ一度試してみてください。
意外となんとかなります。
最後に
というわけで、「限りある時間の使い方」の紹介でした。
本記事では「退屈」についてをピックアップしましたが、
それ以外にもかなりハッとさせられる時間や効率についての考え方が記されており、
あらゆる人に薦めたい内容になってます。
「時間」に興味がない大人ってほぼいないのではないでしょうか。
タイトルや表紙から意識高い系の気配を感じた方も全く警戒しなくていいです。
むしろそういう、タイムマネジメントがタイパが~というタイプの考え方に警鐘を鳴らす内容なので
そうじゃないタイプの人は読んで安心感を得られるのではないかと思います。
手詰めへの向き合い方が変わった!という事をさんざん話しておいてアレですが…
今後カワラ菌糸に関しては詰め済みのものを買おうと思ってます。
硬くて崩すのしんどいし、ここまでやってカビ浸食や劣化率が高いのを考えると流石に…
この部分は節約よりも時間を優先しようと思います。
「手詰めなら安く済むのに…」という
つらい現実を受け入れる…
今回はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。