書籍「オオクワガタに人生を懸けた男たち」を読み終えた感想です。
本書の存在はビークワ92号で知りました。
自分は飼育のみで採集のほうは全くの素人なのですが、クワガタに関する本という事で流石に気になり購入。
「人生を懸けてオオクワを採集する男たち」の本ということで非常にマニアックな匂いを感じますが、その内容は虫好きの方のみに留まらず万人におすすめしたい物でした。
簡単な紹介
本書はオオクワガタを採ることに命を懸けているというとある集団、
その名も「INFINITY∞BLACK」に焦点を当てた本です。
この集団、何が驚きかというと
「オオクワガタ未発見の地でオオクワガタを見つける」ことを目的としています。
そう、売ってお金にするわけでも、なんなら採集すらしないというのです。
未開の地でオオクワガタを見つけたい、という所は理解できます。
しかし採集に行って苦労してオオクワガタ発見!からの取らずにそのまま…というのは自分のレベルだと理解が及びません。
見えている世界が違う…
オオクワガタの生体に関することも書かれてはいますが、本題は人。
オオクワガタ採集の指南書といった構成ではないので一応注意。
まず自分はこの名前に衝撃を受けましたね。
インフィニティブラック。ジャンプ漫画の悪の組織かな?
この時点で彼らが少年のハートを未だ忘れていない素晴らしい大人たちなんだと分かります。
ちなみにこのチーム名はちゃんとした由来あり。本書にしっかり記されてます。
圧倒的オオクワガタへの解像度、そして愛
まず当然ですが、彼らはオオクワガタに関する情報量が半端じゃない。
自分の浅い知識量だと第一章の冬季採集の時点で驚きでした。クワガタ採集って夏だけじゃないんだ…
しかしその高い解像度より驚かされるのがオオクワガタに対する愛。
もはや好きという言葉では足りません。狂気、執念とかの方が近い。
タイトルの「人生を懸けた」が何も大げさな表現じゃないから恐ろしい。
すべて詳細に書き出すわけにはいかないのでいくつかざっくり紹介しますと…
・新車が山の中で破損
・虫採り行き過ぎて奥様激怒、実家へ2度抗議
・クマに遭遇
・斜面で滑落、岩に衝突し肋骨骨折
・心霊現象
…と、まさに命がけ。
読む分には面白いがはたして笑っていいかも悩むエピソードが多く語られてます。
趣味の価値とは…
狂えるほど好きなものがあり、それに全てを捧げる生き様というのは見ていてとても気持ちいいです。
コスパ、タイパという言葉がすっかり浸透した現代、本来楽しむものである趣味にも実益や意味を求めてしまう方は少なくないかと思われます。
そんな方にこそぜひ読んでいただきたい一冊。
実益や深い意味にとらわれず、「未開の地でオオクワガタを発見したい」という情熱や憧れで動く彼らの姿は実にエネルギーを貰えます。
自分個人の考えですが…
そもそも本来趣味に価値を求めること自体が間違っているのではないかと思っています。
心身ともに健全であり人様に迷惑をかけなければ何をしたっていいはず。
趣味は楽しければそれでいいはずなんです。
(彼らの中にはオオクワ採集で怪我をしている方もいるのでそこまで愛が暴走すると逆に不健全ですが…)
大自然を力強く生きるオオクワガタとそれに魅せられ人生を懸けた男たち。
彼らの生き様は読者の感情を揺さぶること間違いなし。
虫好きの方はもちろん、現代の早すぎる流行の移り変わりに疲れている方、人生に窮屈さを感じている方などにもぜひ手に取っていただきたい一冊でした。
…ちょっと大げさ?
最後に
当ブログ初となる書籍感想記事でした。
今回はクワガタを主題にした本でしたが、直接関係なくてもカブクワ飼育に繋がると感じた内容であれば
感想書いてみようと思ってます。
今回はここまで。最後まで読んでいただきありがとうございました。